ame d'aujourd'hui

あめの あめによる あめのための あめ

私立探偵ケイレブ・ハント (マイ初日)

10月8日!

 

公演2日目!

 

マイ初日!

 

雪組公演

『私立探偵ケイレブ・ハント』

『Greatest HITS!』

が、ついにマイ初日を迎えました!!

無事に!

やったね!

 

マイ初日って表現、

いつか使ってみたかったんだよねー。

沼感増すよね、沼感。

 

今回は

待ちに待った2本立て!

自身初の2本立て!

ショー付き! ショー付き!

と、

相変わらず異様なテンションで臨んだわけですが、

とりあえずはショーの話は置いておいて。

 

初めての宝塚歌劇観劇となったあの日から

およそ8か月。

というのは、

以前『ローマの休日』の感想でも

似たようなくだりを書いたのですが、

あの時の自身2度目の宝塚歌劇観劇!雪組観劇!とは

ちょっとワケが違うのが……

 

今回は

宝塚大劇場雪組公演!!

(自身2度目の宝塚大劇場雪組公演)

 

ローマの休日』の時には

別作品に出演していた為お目にかかれなかった

だいもん(望海風斗)や

さきちゃん(彩風咲奈)らに

8か月ぶりにお目にかかることができる、

 

つまりは

雪組オールキャスト公演!!

ってわけです!!

 

興奮しますね。ええ。

 

宝塚で好きな人は誰なの?って聞かれると

「ちぎみゆだいもんさきちゃんです!!」

(ちぎ=早霧せいな、みゆ=ゆうみちゃんこと咲妃みゆ)

って目をギラギラさせて言っちゃう派ですからね。

ほんっとに、

ほんっとに、

待ち遠しかったのよ、

だいもんとさきちゃんに会えるのが!!

 

そんなオールキャストのお芝居

『私立探偵ケイレブ・ハント』の

個人的なもう一つの見どころが

 

祝! 望海風斗 初のちぎさんおともだち作品!!

 

やったぁーっ!!

 

何言ってるか分からない人の為に説明するとですよ。

宝塚の各組にはトップスターという存在がいて、

2番手、3番手、と、順番にスターが並んでいるんですが、

このトップさんと2番手さんは

組の中心的存在であるが故に

演目ではライバルという構図を演じることが多いわけです。

そしてそれはこの雪組でも同じことで、

ルパン三世』でも

『星逢一夜』でも

るろうに剣心』でも

トップ・早霧せいなと2番手・望海風斗は

常に敵対する構図の役をそれぞれ演じてきました。

 

そんなだいもんが夢としてあげていたのが

「ちぎさんのお仲間になりたいです!」

 

ちぎさんの仲間役として

いつか舞台に立ちたいというだいもんの願いが

このケイレブでついに叶ったというわけです。

なんて、めでたい。

 

そんなめでたいお仲間シーンを

トリデンテ(ちぎみゆだいもん)推しとしては

見どころにしないわけにはいきません。

 

ちぎさんとだいもんが

きっとぶつかりあいながらも困難を突破し

事件を解決させるんだぜ!!

そんな期待も胸に、ケイレブマイ初日へ臨んだわけです。

 

はい。

 

で、感想をさっぱり言っちゃうと。

 

「まぁ、嫌いじゃないよ」

 

という感じです。

 

まさかの、

まさかのちょっとネガティヴな感想!!

 

いや、うん。

そうなんですよねー。

難しいんです。ショー付きは。

 

1本ものの作品は2時間ちょっとにお芝居を詰め込めるんですけど、

2本立てとなるとお芝居は1時間半だから

詰めるにも詰められない。

詰め込みすぎるとそれはそれで

物語が難解になって

こっち置いてけぼりのJIN状態。

(『JIN』は大事な説明をすっとばし気味でした)

 

じゃあ詰め込まない、ってなるとどうなるか。

それがケイレブ・ハントでした。

 

物語は大体がこちらの思った通りに動きます。

謎と謎が複雑に絡み合うこともなく

人間関係が複雑に絡み合うこともありません。

 

おともだちのだいもんと

そんなにもぶつかりあわないし

そんなに困難を突破するわけでもありません。

 

過去に何かを背負っていることも

あるにはあるんだろうけど描かれず、

お話の目的は目の前の問題の解決のみ。

 

率直に悪く言うと、

中身が薄い、です。

 

但し、良く言うと、

難しい作りではないので

ものすごく分かりやすいのです。

 

分かりやすいから面白いっちゃあ面白いし、

要らないことを考えなくてもいいので

舞台の上のジェンヌさんたちを

思う存分ぺろぺろできます。

あ、ぺろぺろしすぎて話聞いてなかった!

ってなっても、大体話は分かるし、

正直分からなくても大した話ではありません。

 

難しいですよね。

線引きがね。

 

まぁ、でも、

それにしてはちょっと雑なんじゃなかろうか、

みたいなところもちらほらあって(苦笑)

その大半が

「この役要る?(物語に関係ありません)」

「この人何しに出てきたの?(何もしていません)」

「この役にこの人あてはめる?(ちょい役すぎます)」

みたいな

要するにキャスティングですよね。

あとは話の詰めが甘いところもあって、

とにかくツッコミどころが満載でした(苦笑)

 

2日目ということもあってか、

だいもんもさきちゃんも

キャラを出し切れていないというか

そもそもどういうキャラなんだよ、みたいなところもあって、

全体的にふわふわしていますね。

ただ、だいもんの場合、

だいもんから悪の要素を抜いたら

丸顔のあほっぽさ溢れるキャラクターになってるので

たぶん最後までふわふわしているだろうし、

それが今回のキャラの味なのかな、という気もあります。

 

にしても、もうちょっと何か無いのか?

さきちゃんなんて終盤どこ行ったんよ!

何なんだこの才能の無駄遣い感!!

彼女の尻に敷かれるならもっと敷かれまくってもいいし、

さきちゃんの見せ場ももっと作ってほしいし、

定例会のネタはもう1回ぐらいぶちこんでもいいし、

ぐぬぬぬぬー

 

さきちゃんが助けた女の子とか、

荒らされた部屋から見つかった大事な花とか、

コーヒーメーカーとか、

色々伏線かと思ったら何も伏線じゃなかったので、

きっと名探偵コナンの読みすぎなんだと思います。

事件の結末のあっさりした感じも

きっと名探偵コナンの読みすぎでもう一山来るとか思ってしまったんです。

ぐぬぬぬぬー

 

でも、そんなぐぬぬな作品ではありましたが、

ちぎみゆ推しからすれば、

ちぎみゆのイチャイチャが規格外で

によによが止まらない萌え作品でもありました。

 

何なんだよお前ら、

いいぞもっとやれ、

最高だよ。

 

探偵モノという側面からすれば

何か中身の無い作品でしたけど、

ちぎみゆ担の側面からすれば

中身にちぎみゆのラブラブが詰まりすぎていて、

それはそれで結構満足してしまってもいるわけで。

 

うん。いいよ。

 

うん。いいy……

 

いや、ちょっと待て。

 

よくない。

 

よくないぞ!

 

思い出したぞ!

そんなイチャラブでも

どうしても突っかかって腑に落ちないのが

ちぎみゆの3つ目の選択肢だー!

3つの選択肢って何やねん!!w

あれは幕間で答え合わせしてみたけど

みんなモヤモヤしてたぞー!w

 

あと、最後、荷物ーーーーっ!!w

 

まぁ、ツッコミどころがありすぎて

逆に幕間も終演後も

そんな感じで盛り上がりましたよね(笑)

それはそれで面白くて良かったのかもしれないな!(笑)

 

キャラについての感想も

前述のとおり、ちぎみゆ以外は薄いキャラ設定なので、

あまり印象に残っていないのですが……

舞咲りんさん演じるアパートの管理人のクセがすごいのと

がおり(香綾しずる)さん演じるナイジェルがかっこよかったなーと。

戦場を生き残ったがおりさんがあのワイルドな見た目で

同じ戦場を生き残ったちぎさんがアレってどういうことだよ、

と、ここでもまたツッコミが入るんですけどね(笑)

 

キャラ、で言うなら、

もう、ちぎみゆの2人が

ただひたすら突っ走ってイチャイチャする話ですよ。

ちぎさん演じるケイレブも

ゆうみちゃん演じるイヴォンヌも

どちらも猪突猛進タイプすぎて

周りが巻き込まれて周りが回収していくお話。

 

そして二人はイチャラブ。

ちぎみゆ担はイチャラブ萌え。

イチャラブありがとうございましたぁぁぁっ!!

 

何だよこれw

いいのかこんな作品でw

 

まぁ、ちぎみゆ推しから

ポジティヴに言うのであれば、

 

ちぎみゆが突っ走って周り巻き込まれて当人イチャラブって

ちぎみゆらしくっていいんじゃない?

って感じです。

きっとそれがこの作品の全てであり、

それ以外には何もありません(笑)

 

願わくばスピンオフでお話を掘り下げてください!!

 

(『Greatest HITS!』感想へ、つづく)

エリザベート ―愛と死の輪舞―

もうひとつ、

 

もうひとつ、深い場所へ――

 

忘れもしない2月13日。

まだトップスターの名前を誰一人そらで言えなかった

あの頃の自分が足を踏み入れたこの場所は、

何でも無い

ただの華やかな大劇場でした。

 

その大劇場が

2度目の来訪となったこの場所が、

ここまで意味のある場所で

重みのある場所で

思い入れのある場所になろうとは、

半年前の我々には

少なくともあの世界に触れるまでは、

想像が出来るわけもなく、

今この瞬間ですら

それは信じがたいことです。

 

そんな我々にとっての新たな聖地――

宝塚大劇場

 

その2度目の大劇場で、

我々の一隻のボートは

もうひとつ、深い場所へ

 

初の"宙組公演観劇"という

もうひとつ深い場所へと、

強く、厳しく、冷静に、冷酷に、

深く深く沈んでゆくのでした……

(どっぷりとね!!)

 

演目は

宙組公演『エリザベート ―愛と死の輪舞―』

 

日本初公演から20周年という

記念すべきこの作品は

今回の宙組公演で9度目を迎える大人気作品で、

よくまあチケットが取れたよね、

ってぐらいの

沼初心者には入手困難な作品でした。

 

そんなプレミア感もあってか、

2ヶ月程前から

この『宙エリザ』への思い入れは

日々日々濃くなっていくばかりで、

 

予習の為にと

スカステでやっていた『花エリザ』

(2014年花組公演『エリザベート』)

を初めて観た時は、

黄泉の帝王トートの

シシィことエリザベートへのストーカーっぷりに

「タンスからトート出てきたwww」

「銀橋にw トートおるwww」

「ちょ、司祭w トートwww」

「ドクトル、トートwwwwww」

「え!?シシィ突き放したwwww」

とか笑いが絶えなくて

「これ宙エリザ大丈夫か?www」とさえ

思ったこともあったけれど、

 

みりおさん(明日海りお)や

みっちゃんさん(北翔海莉)

だいもん(望海風斗)の歌の上手さと

エリザベートの音楽の素晴らしさに惹かれ

実況CDを購入したのが分岐点だったか、

 

それ以来毎日実況CDを聴いているうちに

エリザベートの世界に引き込まれ、

トートの想い、シシィの想い、フランツの想い、

それぞれの想いが交錯する

激動の時代、ハプスブルクの描写へと

心が揺さぶられるばかりで、

 

気づけば鼻唄はエリザ楽曲

口から出てくるのはエリザの台詞という

エリザベートに毒された日々を

今日まで過ごしてきたのでした(笑)

 

そして、

期待値を上げに上げまくって迎えた

宙エリザ当日。

 

これまで散々予習してきたものは、

一瞬にして木っ端微塵でした。

 

生エリザ、凄いよ。

 

宙エリザ、凄いよ。

 

まもなくのプロローグ。

そのプロローグで全て打ち砕かれました。

いや、知ってたんですよ。

エリザベートのプロローグが素晴らしいことは、

花エリザで十二分に知っていたのです。

 

分かってはいたのに、

いや、分かっていたからこそなのか、

圧倒でした。

押し寄せる波動に、

漆黒の波動に、

ただただなぎ倒されるだけ。

 

そこからの1時間10分は

あっという間でした。

 

気づけば、ああ、もう「ミルク」かと。

(※第1幕 第16場で歌われる曲)

 

「ミルク」は圧巻でした。

 

シシィに振られた(笑)トートが

ハンガリー独立を願う勢力や

ハプスブルクの崩壊を願う市民らを誘導し

市民革命へと導くこのシーン。

 

全員の鬼気迫る勢い、

立ち上がるその情熱、

近づく終わり、死の気配、

漆黒の波動……

 

ダンスだけではなく、

コーラスでもそれは思いのままに現れ、

流石は"コーラスの宙組"と言われるだけあって

見事なミルクだと、

双眼鏡を強く握りしめ

ぐう泣きしながら

大好きなミルクの場面を味わいました。

 

やっぱり生は全然違うんですよね。

 

分かってはいるんだけど、

当然なんだけど、

ありきたりで申し訳ないんだけど、

「生で観るのは最高だよね」

ってなっちゃいます。

 

あの花エリザとはいえ、

スクリーンの向こうのエリザとは

比べ物にならないですよね、やっぱり。

 

息が苦しいんですから。

 

呼吸さえも辛くなるぐらい、

圧倒されてしまうのです。

 

大劇場、宙エリザ。

 

とてつもなく、とてつもない。

 

その気迫やら何やらに圧倒されるまま、

第2幕の1時間20分も

本当にあっという間でした。

あまりにもあっという間に終わってしまって、

すごく切なくて寂しくて

どうしてこの感動を

たった1回しか味わえないのだろうかと

改めて嘆いてしまうぐらいです。

 

ただ、だからこそ、

たった1回しか味わえないからこそ、

後悔の無い宙エリザであってほしく、

後悔の無い宙エリザでありました。

 

序盤の「愛と死の輪舞」では

まぁさま(朝夏まなと)の声が潰れてしまって、

この公演大丈夫か?と思われたけれど、

次の「最後のダンス」では

歌声キレッキレのセクシーボイスで

この"命吹き返す感"がまさにトート閣下でした。

プロフェッショナル凄い。

 

これはトートに限らずで

全体的に少し喉の疲れを感じるところもあったけど、

そういうのを不安にさせないぐらいの

パッショネイトな宙組

パッショネイトなトート。

 

まぁ、もうね、

兎にも角にも情熱的で、

「まぁさまトート、青い血流れてないw」

ってのは言われていた通りだったんだけど、

いや、というか、そもそも赤い血すら流れてるのか?

金色の血か何かが流れているんじゃないの?

ってぐらいの

"死"という存在なのに

生命エネルギーが満ち過ぎている

しゃくりとかシャウトとかダンスとかね、

どやっ!!って感じが凄いんだよね。

これでもか、これでもか、という

その畳みかける波状攻撃が恐ろしいよね。

でもそれって、まさに

シシィへの激しい愛なんだよね。

グランデ・アモーレなんだよね。

愛は偉大だね。偉大なる愛だね。

 

そう思うと、

たった一人の人間相手に

徐々に人間らしくなっていき、

情熱的に、時に妖艶にシシィを愛し、

その愛の存在と向き合う反面

儚さや切なさを纏っていくトートを表現した

まぁさまの演技は素晴らしかったですね。

 

初めて生で触れた

まぁさまの演技、ダンス、歌は、

ちぎさんとは全く違った個性があり、

これはこれで

惚れ惚れしてしまう魅力がありました。

 

ああ、宙組のトップスターも

恐ろしいぐらいにかっこよく美しく……

そして、エロかったなぁ……

(エロ要素はちぎさんには無かったな(笑))

 

そんなトートの執拗な愛の標的となった

シシィことエリザベートを演じたのは

みりおん(実咲凜音)。

彼女の歌唱力もまた素晴らしく、

感情をただぶつけるだけじゃない

ぶれない歌い方というのが徹底されていて、

この娘はとてもテクニックがあるなと思いました。

 

みりおんの魅力は歌に限らずで、

花エリザの蘭乃さんのシシィは

どうしても"自分勝手"感が強かったんですけど、

みりおんのシシィは

激動の時代の

悲壮な運命に巻き込まれた感じが強く、

時代に翻弄されたシシィ像を

よりリアルに表現していたと思います。

 

そんなシシィを見ていると、

もっと上手に生きられたらなぁ……

と思わせられ

 

つつも

 

まぁ、それもこれも全部

トート閣下の思惑通りさ!!

予定が狂うのはハプスブルク家だ!!

と自分の中で解釈したり(笑)

 

でも、

花エリザで感じていた

「シシィも結構身勝手だったやん」って感情は

宙エリザで薄まった気がしました。

自分勝手で滅んでいった皇后というよりは、

儚く美しく哀しい運命と共に滅んだ皇后、でした。

 

そのエリザベートの夫であり、

シシィの真実の愛を得る為にトートと争った

フランツ・ヨーゼフを演じたのが

宙組二番手の真風涼帆。

 

かっこいい。

 

真風フランツの

ここもまた悲壮な運命に翻弄されている感が

表情にも満ちていて、

(かっこよかった)

「寛容で善意の名君と呼ばれたい」という思いと

皇帝としてそうはいかないという宿命との間で

苦悩し続けるフランツを

本当に上手く演じきったなぁ

(かっこよかった)

と、思うと同時に、

真風さんの魅力に生で触れられて

とても幸せでした。

(かっこよかった)

 

俺はマジだぜぇっ!!

とルキーニばりにシャウトするぐらい、

真風フランツかっこよかったよ。

 

そんな真風フランツと

みりおんシシィとの

「夜のボート」の場面は、

何とも言えない切なさと虚しさが

客席を包んでいました。

 

寄り添いたいフランツと

そうではないシシィと、

そして本来はこうあるべきだったという象徴の

二人の老夫婦。

フランツが皇帝でなかったら、

オーストリアが別のどこかであったなら、

時代が別の時代であったなら、

二人の魂がここではない別のどこかで結ばれていたのなら、

きっとフランツとシシィは

あの老夫婦のように

一隻のボートで一つの人生のゴールへと

寄り添いながら遂げることが出来たのだろうに……

 

切ないですね……

切なくて哀しいのだけど……

それもまた運命だったのかと思うと

どうしようもないですね……

 

自分自身の勝手な解釈として、

フィナーレの最初の「愛と死の輪舞」は

フランツからシシィへの歌だと思っているんです。

 

トートのもとへと旅立ったシシィ。

そのシシィに対して、

「(自由なあの頃のシシィへと)帰してやろうその生命を」

とフランツが思い歌ったのだと、

勝手に毎回解釈をしています。

そう思うと余計に切なくなるんですけど、

フィナーレなので

真風さんが少しなんですけど

柔らかい安堵の笑みを浮かべているんですよね。

 

シシィ、君が望むなら、僕はそれでいい。

僕は、それでも、追いかけていたけれど。

君が目指す港へ辿り着けたのであればそれでいい。

 

そんな風に。

 

真風さんのそんな柔らかな表情が

ようやく見られるフィナーレも、

それはそれで幸せです。。。

(かっこよかった)

 

真風フランツみりおんシシィ

と言えば、

まぁさまトートを加えた

第1幕の終わりも圧巻でした。

 

3人の想いが交錯する

エリザベートという作品を

象徴するシーンの1つ。

 

そのシーンで

白いドレスを着たシシィが登場するんですけど、

あのお美しさには思わず

ふわぁぁぁぁって

声が出そうになりました(笑)

 

あのステージのシシィ、フランツ、

銀橋のトートというトライアングルは凄いね。

あのトライアングルの中に入りたいね。

バミューダ並に消えちゃうけどね。

沼の奥深くにね。

 

ここまで、

トート、シシィ、フランツ、と

主要キャラクターについて

長々と述べてきましたが、

忘れてはいけないキャラクターが

あと3人。

(まだ3人もいるのかよ)

 

1人目は

この作品の進行役も担う

エリザベート暗殺の実行犯ルキーニ。

 

ルキーニは

花エリザのだいもんルキーニが

あまりにも別格すぎて

そこと比べるのは止めておこうと思ったのですが、

愛月ひかるさん演じるルキーニは

だいもんルキーニと違って上手に何でもこなす

という感じではなくて、

この人もまた上手に生きられず、

狂気さというか、変人さが増した感はありました。

 

進行役だからか

置きにいっているという感もあり、

いやこれ逆にだいもんルキーニが

クセありすぎたんじゃないか?w

って思いましたね(苦笑)

だいもんは下手すりゃ主役も食ってたもんねw

 

アンダーグラウンドな感じは

だいもんより出ていて

かっこよかったですね。

 

あと、初っ端の

「グランデ・アモーレ!!」が控えめだったので、

ああ、愛月さんはそういうスタンスか、

と思ってたんだけど、

最後の「グランデ・アモーレ!!」が

全力を出し切ったフルパワーアモーレで、

完全に裏切られました(笑)

 

2人目は

フランツの母でありシシィの姑である

ゾフィー太后様。

 

流石です。

純矢ちとせさん。

流石でした。

 

純矢さんの演技は

銀河英雄伝説』の時に

かなり惚れ込んだので

あの純矢さんがゾフィーと聞いて

ずっと楽しみにしてました。

 

いやぁ、

もう、えげつない程の冷酷さ(笑)

 

そりゃ、旦那の母親から

あんなに厳しくされたら

ここは牢獄よ!!って思うよねぇ(苦笑)

 

桜さんのゾフィー

サイボーグみたいな冷たさがあったけど、

純矢さんは人間味がある分

余計に絶望的な

強さ、厳しさ、冷酷さを感じますよ。

 

実に見事でした。

 

3人目は

フランツの息子ルドルフ。

 

役替わり公演となるルドルフですが、

この日(8月12日)は

蒼羽りく演じるルドルフ。

 

桜木さん、蒼羽さん、澄輝さんの

3人が役替わりとなる為、

三者三様のルドルフがいて、

それぞれ革命に対して

似合う似合わないという感想があるみたいですが、

りくルドは

「革命だ!!革命するしかない!!」

という感じじゃなくて、

「ハッ、か、革命しなきゃ、、、」

という感じで、

トートに思いのままに誘導されている感が強くて、

そりゃまぁ猫を殺すのも精一杯のルドルフに

政府を倒そうとすることなんぞ無理だよな

という感じでした。

 

それはそれで、

りくルドもまた

上手に生きられずに

この激動の時代の悲壮な運命に巻き込まれた感が

上手に表現されていたんじゃないかなと思います。

 

「闇が広がる」での

闇に飲まれていくところも、

あの1シーンに

ルドルフの心の動きがぎっしり詰め込まれていて

(それが表現されていて)

とても良かったです。

 

あと、個人的には、

子ルドルフがツボでしたね。

 

星風まどかさん演じる小さいルドルフが

もう可愛すぎてね。

子ルドルフを包み込むトート閣下の画が

あまりにも好きだったので、

舞台写真を買いました(笑)

 

あんなかわいいルドルフに

ほんとに猫ちゃん殺せたのかな?(笑)

 

今回こうして取り上げたのは

主要メンバーだけですが、

他にも見所はたくさんで、

みんな良い演技を見せてくれていました。

 

映像で見ていたエリザベートと違って、

舞台の端や細かいところまで見られる

違う角度から見られるというのは

作品を楽しむ上でとても重要なことですね。

 

第1幕第4場で

トートが椅子に乗って現れるシーンも

くるくる回っていて

ゴーカートみたいで面白くて、

 

第2幕第6場の

子ルドルフのダンスがかわいかったり、

 

カフェの場面では

結構しっかりルキーニがバイトしていたり、

 

独立運動の場面では

黒天使が王冠を落とすハプニングがあったり

(心の中で「王冠落とした♪」って唄ってしまった)

 

やっぱり生で観劇してこそ得られる

いろんな発見がそこにはありました。

ラストのスモークえらい多いな!とか、

最後のダンスの2人の顔近いな!とか、もね(笑)

 

そして、

生で観劇してこそ得られる感動。

 

フィナーレも

生でこそ得られる感動

圧巻でした。

 

まぁさまのダンスは言わずもがな

そりゃもう勿論かっこよくて、

でもただかっこいいだけじゃなくて。

 

男役ではあるものの

男男しているという感じではなく

どこか中性的な感じで

この世の存在ではないような雰囲気を持ちながら、

妖艶で、力強く、儚げで、切なく、

まさに作品中のトートそのもののように、

情熱を持ちながらも

どこか憂いがある

そんなまぁさまの姿が美しかったです。

 

そして、男役が並ぶ「闇が広がる」ですよ。

あの"どこ見たらいいんですか"現象。

イケメン飽和状態。

 

真風さんもね、

愛月さんもね、

またこれがかっこいいんだよね。

こちらも言わずもがな。

 

「闇が広がる」のダンスで

腕をあげてぶんぶんってする振りが

とてつもなくかっこよくてね、

とてつもなくかっこよかったです。

(大事なことなので2回言いました)

 

でもって、

極めつきは

パレードですよ。パレード。

 

もう、本当にね、

エリザベートのパレードが好きすぎるんです。

 

楽曲も好きなんですけど、

基本的にパレードというものが好きなんですよね。

最後にトップさんが降りてくるところで、

みんなトップさんを見つめているんです。

あれがね、たまらなく好きなんです。

みんなのトップさんへの想いがそこにあってね。

 

それでもって、

ああ、このエリザベートという大作を

見事にみんなでやり切ったよね!

という感動と共に、

エリザベートの場合は

トートとシシィの愛の結末を

最後の最後でみんなで祝福しているように思えて、

あの場面は本当に好きなんです。

エリザベートのパレードを生で観られただけでも

十二分に価値があったと言っても過言でも無いぐらい

本当に、本当に、

ああ、この日を迎えられて良かったな、と

大袈裟ながら思いました(苦笑)

 

予習してきたというのは

それはそれで

こうやって好きな場面で

思う存分集中できたので

意味があったな、と思いました。

 

"あ、次はいよいよ「死ねばいい!」だ!"とか、

"ここでオケの所から出てくるぞ!"とか、

あとは、ドクトルゼーブルガー登場のシーンで

笑わなくて済んだ、とかね(笑)

(実際、左の方から笑い声が聞こえましたw)

 

そして何より

たくさん聴き込んだ分、

思い入れが強くなってね。

 

久しぶりに

大好きなアーティストのライヴに行って

大好きな曲が流れた時の興奮を

身体中で感じました。

 

エリザベートの楽曲を

生で聴けたというのもこれもまた

自分にとって大いに価値のあることでした。

 

楽曲、ダンス、お芝居、ストーリー、

どこを切っても

心を強く打つ面を見せる

宝塚の『エリザベート』。

 

この素晴らしき作品に

出会う機会を得たこと、

そしてこうやって

生で観られたことにとても感謝です。

 

そして、この超大作であり

それ故に非常に難しいであろう

エリザベート』を

非常に素晴らしく演じきった宙組の皆さんに

感謝でいっぱいです。

とても良い夏休みの想い出が出来ました。

 

きっとこのエリザベートに纏わる

色んな感動は、

この人生において

語り継がれることでしょう。。。

 

って、何か大事だな、それは(笑)

 

でも、きっと、

この作品もまた

雪組公演『るろうに剣心』同様に

自分にとって一つの分岐点になったことだと思います。

宙組という2つ目の沼への?)

 

今はエリザロスが酷くて、

\俺の夏休みはとっくに滅んじまったぜっ!/

とルキーニみたく叫びたい気分ですが、

次はケイレブだ、次はケイレブだ、と

己を奮い立たせて、

この感動を胸に頑張ります!

(何の決意表明だ)

 

ありがとう!宙エリザ!!

 

\エーアン、エリザベーーートゥッ!!/

 

\エーアン、宙組!!/

ローマの休日

昨日は

宝塚歌劇雪組公演『ローマの休日』を観てきました。

(@梅田芸術劇場メインホール)

 

この沼にハマってまもなく半年。

 

2月に大劇場で『るろ剣』を観て以来

気づけばどっぷりと沼に沈み、

もはや太陽の光さえも届かない

深い場所へとやってきたわけですが――

 

実は、この観劇が

人生2度目の宝塚歌劇観劇。

 

周囲の沼の先輩方からは

「まだ1回しか観ていないとは思えない落下っぷり」

と言われるぐらいの堕落具合で(苦笑)

自分自身でも

この『ローマ』の前日に

嗚呼、ようやく2回目なんだな、と

それにしては恐ろしい深度だな、と

改めて実感していました(苦笑)

 

そんなようやく訪れた2回目の観劇は、

1回目の『るろ剣』同様、雪組公演。

 

初めて触れた"宝塚"という世界で、

初めて、強く、この心を捕らえた

"ちぎ"さん こと

雪組トップスター"早霧せいな"が

主演を務めるこの作品は、

半年間ずっと恋い焦がれてきた

憧れのスーパースターに

再び目の前でめぐり逢える

待ちに待った機会となったわけで……

 

その半年間

ひたすらに蓄積されてきた想いは、

この日思いのままに放出され、

そしてまた

そこにある眩い光を全ての感覚で受け入れ、

僕の魂はあるがままにその至福に溺れていったのです。

 

(嗚呼、なんて大袈裟な表現!!(笑))

 

いやぁ、ほんとに、

大袈裟にもなっちゃうよね!ってぐらい、

もう何て言うか、

思ってた以上にこの2回目の観劇に

想いをずっと馳せていたんですよね。

そして、それが爆発しました。

 

だってさ、

素晴らしかったんですもん。

ローマの休日

 

ゆうみちゃん(咲妃みゆ)演じる

アン王女は

可愛くて面白くて

可愛くて面白くて

(大事なことなので2回言った)

 

酔っ払った姿は

もう可愛くて面白くて

(さっきも言った)

凛とした姿はそれはそれで

美しく力強く

 

ああいうおてんばなヒロインを演じさせると

ほんとにゆうみちゃん

キラキラしてるんですよね。

 

そしてそんなキラキラを

受け止め包み込む

ちぎさん演じるジョー・ブラッドレー。

 

かっこいい。

 

ただ、ただ、ひたすらに、

かっこいい。

 

正義のヒーロー、じゃないんですよね。

役的に。

でも、晴興も剣心もそうだったんですけど、

その陰の部分と向き合う姿、

これまでの自分に抗う姿が、

とてつもなくかっこいいんです。

 

そして時折見せる

ちぎさんの切ないあの表情。

 

笑顔のちぎさんも勿論素敵なのですが、

あの表情のちぎさんも

たまらなく好きなのです。

 

でもってスーツちぎ萌え。

 

個人的に

ちぎさんは和装より洋装で

髪型をビシッと決めている方が好きなのです。

 

るろ剣

お芝居中のちぎさんよりは、

ショーのちぎさんの方が好きなのです。

 

それ故、

スーツのちぎさん?

素晴らしい。

もうめちゃくちゃかっこいいじゃないか。

 

ちぎさんの魅力の一つが

肩から手の動きだと思っているので、

袴より腕の動きがはっきりと分かるスーツは

ちぎさん史上最高のコスプレだと思っています。

 

ちなみに次回の雪組公演は

大劇場での『ケイレブ・ハント』。

スーツちぎさん、最高です。

 

まだまだ書くことはありますよっ。

(長々とすみませんっ(苦笑))

 

彩凪翔さんのマリオは

るろ剣』同様ぶっとんでて面白くて、

(生るろ剣観劇時は休演されていたので初翔さん!)

 

りーしゃ(透真かずき)さんのダリオは

こんなギャルソンおったら毎日通ってしまう!

ってぐらいイケメンさんだし、

 

朝風れいさんの警察署長が

誰よりもノリノリで面白くて、

 

久城あすさんは歌声もかっこよくて、

(あすさんの声が大好きなんです)

 

千風カレンさんの大家が

キャラ濃くってお似合いで、

 

ああ、何と言っても

月城かなとさんのアーヴィングですよ。

大使館でのあの計らい。

 

大使館の場面はね、

「最後めっちゃ泣けるよ」

って言われていたので

こっちも心の準備は出来ていたんですけどね、

ジョーとアン王女の場面が

刻々と近づくにつれて

ぶわっぶわっ

うぐっうぐっ

ってね、なっちゃうわけですよ。

(観た人にしか分からない表現ですみません)

 

で、ジョーの前に

アーヴィングのあの計らいですよ。

あの計らいからの

ジョーとアン王女の再会。

 

もうね、泣きすぎて、

目以外のところからも何かが溢れて

口の周りがエライことになりました。

 

個人的に

印象に強く残ったのは、

やっぱりそのラストシーンと、

あと

ベスパちゃんで

ローマの街並みを駆け抜けるシーンですね。

 

走り抜けるローマの街並みの背景にあわせて

舞台を少し回して

ベスパちゃんの駆け抜ける感じを

表現しているのも面白かったし、

ちぎみゆの初々しいラブな感じにも

きゅんきゅんさせられて

とても良いシーンでした。ごちそうさまでした。

(ベスパちゃん、

ジョーの心の中で生き返って良かった!!w)

 

それと、もう一つ。

 

ジョーとアン王女の

24時間のデートの終わりのシーンですね。

 

もうこれが最後かもしれない、

と思ったアン王女が

ジョーに向けて想いを伝えたいのだけど、

それを言葉に出来ない……

そんなアン王女に向けて

ジョーから放たれた言葉が

 

「言っただろ? 何も言わなくていい」

 

むはーっ

 

切ない

 

切なくて、かっこいい(笑)

 

「何も言わなくていい」

 

タカラヅカニュースの

言われてみたいあの台詞的なコーナーで

絶対いつか出てくるやつですよ、これ。

 

何か無いかな、

ボタン押したら

「何も言わなくていい」って言ってくれるアプリ。

 

いや、あったらあったで

にやにやしながら泣いちゃうからいいわ(笑)

 

あのシーンが

個人的には一番好きなシーンでした。

 

まぁ、そんなこんなで、

かっこよくて、切なくて、きゅんきゅんして、

笑いに笑って泣かされて、

とっても幸せな2時間半。

 

フィナーレのショーもね、

お芝居では離ればなれになったちぎみゆが

ああ、ここでも離れてしまうのかな、

と思わせておいての最後のアレで

また泣けてしまうし、

 

かと思えば

ちぎさんの挨拶は

淀川花火大会に無理矢理絡ませたかと思うと

最後は花火開脚ジャンプで

(ゆうみちゃんたちも釣られてやっちゃうし)

もう面白すぎてさ-。

 

幸せでした、ほんとに。

 

だいもん(望海風斗)と

さきちゃん(彩風咲奈)抜きで

こんなに幸せなんだから、

大劇場のケイレブはどうなっちゃうんでしょうね。

やばい。やばい。やばい。

 

そして、

来週はいよいよ初宙

自身2度目の宝塚大劇場

宙組公演『エリザベート』です。

 

この幸せな夢心地から醒めないうちの

大劇場宙エリザ。

トート&シシィと共に昇天しないようにしないとね!

 

とりあえず、

今はこの『ローマ』の幸せに浸りながら、

宙エリザまで生き抜こうと思います(笑)

 

幸せな2時間半を

ありがとうございました!!